彫刻家 丑久保健一 ポートフォリオ | お知らせ

Vol.152



転がり落ちていたボールを拾い上げると、おでこやらほっぺに他のボールの破片や木のチップをくっつけて、凍り付いているので落ちません。





一番大きかったボールの頭に残っていた小さなひと片が飛ばされていました。すかすかの中身もすっかり薄くなりました。





半月経ってもまだ日陰にはしっかり雪が残っています。
でもどんなに寒くても、雛祭りの頃になるとチューリップの小さな芽がつんつんと土を押し上げて出てくるのです。そして、これが合図のようにそこここから新しい芽が伸びてきて、いつの間にか地面に緑が目立つようになります。そうなる頃が本当に待ち遠しいのがこの時期です。日差しは明るくなってきているのに、真冬のような冷え込み。

Vol.151







先週の雪はまだかわいい雪だったのですね。隣接する新しい住宅地のあちこちに雪だるまやかまくらが作られていました。
今回はそんな光景に出会いませんでした。ひたすら降り積もる雪にじっと息をひそめて家に籠っていたのでしょうか。その分日曜日はあちこちで雪掻きに奮闘する姿がみられました。湿った重い雪でした。雪掻きに追われて前庭はそっちのけ。ようやく前に回ってボールたちをみると、一つが落ちていました。一番小さなボール片は別として、どんなに強い台風の時でも落ちたことのなかったボールたちです。





今朝は積もった雪の上に乗っても沈み込みません。昨日までは雪遊びをしたがる犬に引っ張られてズボズボと膝近くまで埋もれながら歩くのは大変なことでした。犬も鼻先を雪に突っ込んで雪泳ぎが出来ず、表面を滑ってスケートで我慢です。
チップの小山に登って上からボールを見てみることも出来ました。

Vol.150

細かい雪が絶え間なく降り続き、強い風が吹き出すとまる地吹雪のよう。夜には吹き溜まりは膝までもぐる程積もっていました。
信州の小さなスキー場のロッジの老主人に教えてもらった言葉を思い出しました。そこでは一夜にして孤立してしまう位の雪に見舞われる事があり、男達は夜通し雪かきを続けました。そんな雪を「白魔」と言うのだそうです。
記録的な大雪とは言えこの地の雪にはそんな迫力はなく、翌日はあっけらかんとした快晴。夕方には落ちていた一番小さなボール片も顔を出しました。

Vol.149











立春の日、初雪が降りました。
大した降りではなかったので、止んで融けてしまわないうちにと思い、昼前に写真を撮りました。ところが午後になってしんしんと降りつもって一面真っ白です。
一年で一番寒い２月に、「立春」という言葉がともし火のようにぽっと燈ります。

Vol.148


朝取り替えた犬の食器の水がしばらくしてみると凍っていました。温めてようやく出した外の水道も再び出なくなっています。
そのままになっていたボールの帽子（飛ばされた上の部分）を頭にのせてあげねば、と思い出しました。木のチップの上に落ちていたそのひと片を取ろうとしましたが、動きません。凍り付いているのです。手ですくいたくなるようなチップも硬く凍っています。



ボールはもう凍る水分もない位乾ききって、そっとつまみあげた片の軽いこと！







クレバスの奥をのぞき込むと小さな虫が越冬していました。